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製造技法・工程

原材料

1 原材料

材料は「錫」という金属です。日本ではほとんど採掘されておらず、マレーシア・タイ・インドネシア・中国などから輸入しています。錫の地金(インゴット)は35〜45キログラムの重量で「1丁」という単位で扱われています。


鋳造工程

2 鋳造工程

錫の溶解温度は約230度で、都市ガスでも容易に溶かすことが出来ます。
錫地金を鍋で溶かし、ドロドロになった錫(湯と呼びます)を、流れや すく斜めにした鋳型に柄杓でそそぎ込みます。
しばらくしてナカゴをはずし、水に浸した刷毛で少し冷やし、固まったら型から取りだします。この時点でも、ま だかなりの熱を持っています。
それから、錫を注ぎ込む鋳口からはみ出した余分な錫を切り取ります。鋳型は製品の種類や形によって、大小様々あり、セメン ト、土、金属などから作られています。


切削工程

3 切削工程

鋳込んだ丸い形のものは、ろくろを使って削りながら形を整える作業をします。こけしを削るのと同じようなものです。
ろくろの行程は、錫器の製作 の中心行程に当たります。鋳肌はザラザラして堅いのですが、かんなを使って削ると、錫本来の美しい輝きが引き出されます。花瓶のように細長く大きなものや 一つの型で鋳造できない物は、上下別々に表面や内側をきれいに削って、上と下を接合して仕上げます。

漆塗りの工程が終わった後のつや出しの仕事もします。品物の丸みや削る厚さなどは、全て経験豊富な職人の「勘」です。鋳肌を削り取る鉋・形を整 える鉋・仕上げの鉋は、それぞれ使い分けられます。艶を出すために、昔から使われている「ムクの葉」「トクサ」なども使います。艶の色を生かした製品で は、この工程で仕上がりになるものもあります。


中仕事

4 中仕事

ろくろで作れない取っ手や注ぎ口などの付属部品を作り、本体に取り付けます。また品物を切ったり、曲げたり、槌目模様を付ける作業もここでします。


模様入れ行程

5 模様入れ行程

ろくろで出来上がったものに模様(絵)を入れます。インクは漆またはエナメルを使います。
これを硝酸液に浸すと、描かれた部分はマスキングされ ているので、他の部分だけが腐食し梨地状態になるのです。季節によっても腐食の度合いの変わる微妙な行程です。
絵の浮き加減を確かめ、水洗いしてから、黒 や朱色などの漆を塗り込んで、拭く行程を繰り返すことで、描いた部分が光り出し、模様が浮き上がって落ち着いた感じに仕上がります。


仕上げ行程

6 仕上げ行程

漆が乾くとろくろでつやを出し、取っ手などを付け仕上げます。